結婚相談所に入会して、いざお見合いを申し込んでみたけれど、何人送っても「お見送り」の通知ばかり。こういう経験、ありませんか。

IBJの公開データによると、お見合い申し込みの成立率は平均6〜7%(2021年度実績で約6.3%)。つまり15人に申し込んで1人と会えれば、数字上は「ふつう」です。ただ、これを知っているかどうかで精神的なダメージはまるで違う。「自分だけが断られている」と思い込んで手が止まる人が、相談現場では本当に多いんです。

筆者は結婚相談所のアドバイザーとして12年、4,000名以上の婚活をサポートしてきました。その中で見えてきたのは、お見合いが成立しない原因はセンスや容姿ではなく「段取りの問題」がほとんどだということ。今回は、通過率を構造的に上げるための見直しポイントを3つに絞って整理します。

お見合い申し込みが成立しない3つの構造的原因

まず数字で見ましょう。IBJ成婚白書2024年度版によると、成婚者は途中退会者に比べてお見合い申し込み数が男性で+21件、女性で+14件多い。行動量に明確な差があります。

ただし、申し込み数を増やすだけでは解決しないケースも多い。成立しない原因を分解すると、だいたい3つのパターンに集約されます。

原因1:写真で「会ってみたい」が伝わっていない

相談現場で最も多い原因がこれ。プロフィールを開いて最初に目に入るのは写真です。文章を読む前に「この人に会いたいかどうか」の判断が終わっている。

ありがちなのは、スタジオで撮影したのに表情が硬いパターン。証明写真の延長のような真顔では「話しやすそう」という印象が生まれません。逆に、スマホの自撮りで済ませている人もいますが、背景の生活感や照明の暗さがそのまま印象に直結します。

以前、アプリ歴1年で月マッチング3件だった34歳男性会員が相談に来たことがあります。プロフィール写真を友人に撮ってもらった自然な笑顔に差し替え、自己紹介文に休日の過ごし方とデートのイメージを追記しただけで、翌月のマッチング数が月12件に跳ね上がった。4倍です。写真と文章の精度を上げるだけで、これだけ変わる。

原因2:プロフィール文が「情報の羅列」で終わっている

趣味:読書、映画鑑賞、旅行。こういうプロフィール、山ほど見てきました。間違いではないけれど、相手の記憶に何も残らない。

成立率が高い人のプロフィールには、必ず「具体的な生活の一コマ」が入っています。「休日は近所のカフェで豆の産地を比べながらハンドドリップするのが好きです」と書くだけで、読んだ側の頭の中にその人の生活が映像として浮かぶ。読書が好きなら、最近読んだ本のタイトルを1冊入れるだけでいい。

もうひとつ見落とされがちなのが「結婚観」の欄。ここを空欄にしている人や、「穏やかな家庭を築きたいです」のようなテンプレートで埋めている人が多い。結婚相談所は全員が結婚を前提に活動しているので、穏やかな家庭は当たり前すぎて差別化にならないんです。「週末は一緒に料理をしたい」「年に1回は旅行に行きたい」など、結婚後の暮らしが具体的に見える一文を入れてみてください。

原因3:申し込み先の「精度」が低い

これは段取りの問題です。お相手のプロフィールにある希望欄、ちゃんと読んでいますか。

希望欄は「参考程度」と思われがちですが、実際には入り口のフィルターそのもの。年齢・年収・居住地・喫煙の有無——希望条件と大きくズレた申し込みは、プロフィールを読まれる前に見送られます。IBJ成婚白書2024でも、成婚者の傾向として年齢・生活圏・価値観が近い「同質婚」が中心になっていると報告されています。

「とにかく数を打てばいい」と考えて条件を無視した一斉申し込みをする人がいますが、これは行動量は増えても精度がゼロに近いので成果に結びつかない。的を絞って、相手の希望欄に自分が合致しているかを確認してから申し込む。地味だけれど、これだけで成立率は変わります。

通過率を上げる3つの見直しポイント

原因がわかったら、次は具体的な改善です。筆者が相談現場で実際に会員に伝えている見直しポイントを3つにまとめます。

ポイント1:写真は「他撮り+笑顔+明るい服装」の3点セット

スタジオ撮影であれ友人撮影であれ、押さえるべきは3つ。

  • 他撮り:自撮りは距離感と角度に限界がある。第三者に撮ってもらうだけで自然な雰囲気が出る
  • 笑顔:口角を少し上げた自然な笑顔。大笑いではなく「話しかけやすそう」な表情
  • 明るい服装:男性はジャケットにパステル系のインナー、女性は白やベージュなど顔映りのいい色を選ぶ

写真を変えるだけで申し込みの反応が変わるケースは珍しくありません。3ヶ月ごとに写真を見直すルールを設けている会員もいます。まず期限を切りましょう——「次の3ヶ月で写真を1回更新する」と決めるだけで、行動が具体的になります。

ポイント2:プロフィール文に「具体名詞」を3つ入れる

抽象的な自己紹介は記憶に残らない。これを改善する一番簡単な方法が、具体名詞を3つ入れること。

たとえば——

Before(抽象的)After(具体的)
趣味は映画鑑賞です最近は『ショーシャンクの空に』を久しぶりに観て泣きました
食べることが好きです月1で新しいカレー屋を開拓するのが楽しみです
旅行が趣味です去年は尾道を自転車で走って、そのまま渡船でしまなみ海道を渡りました

固有名詞や数字が入ると、読んだ人の頭に映像が浮かびます。共通点があれば「この人と話してみたい」に変わる。結果として成立率が上がる。ロジックはシンプルです。

ポイント3:申し込み前に「希望欄チェックリスト」で精度を上げる

申し込みボタンを押す前に、以下の4項目を30秒で確認する習慣をつけてください。

  1. 年齢:相手の希望年齢の範囲内に自分が入っているか
  2. 居住地・勤務地:生活圏が重なるか(遠距離は成立率が大幅に下がる)
  3. 喫煙・飲酒:相手がNGとしている項目に自分が該当しないか
  4. 結婚後の生活イメージ:共働き希望・子どもの希望など、大きなズレがないか

4項目中3つ以上がクリアなら申し込む。2つ以下なら見送る。この基準を持つだけで、「数は打つけど成果が出ない」状態から抜け出せます。精度を上げると、少ない申し込みでも成立率が上がるので、精神的な消耗も減る。

成婚者と途中退会者の行動量の違い——IBJデータで見る

ここで改めて、行動量と成婚の関係を数字で確認しておきます。

IBJ成婚白書2024年度版のデータでは、成婚者は途中退会者と比べて以下の差があります。

  • お見合い実施数:成婚者は退会者の男性で4倍、女性で2.5倍
  • 申し込み数:成婚者が男性で+21件、女性で+14件多い
  • 活動期間:成婚者の中央値は約9ヶ月、交際期間は約4ヶ月

つまり、成婚する人は「多く申し込み、多く会い、短期間で判断している」。行動量×精度×期限の3つが揃っている人が結果を出しています。

お見合い成立率6〜7%という数字は、裏を返せば15件申し込めば1件は成立するということ。月に20件申し込めば、月1〜2回はお見合いの機会が作れる計算です。「断られた」にフォーカスするのではなく、「成立に必要な母数を確保できているか」で判断する。ロードバイクに乗っていて思うのですが、走り始めの5kmが一番きつくて、10kmを超えると身体が温まって気づけば50km走り切っている。婚活も同じで、最初の数回を超えれば「会うこと自体」が苦ではなくなります。

3ヶ月を1サイクルとして、月ごとに申し込み数・成立数・お見合い数を記録してみてください。数字が見えると、改善すべきポイントも見えてきます。

FAQ

お見合いの申し込みは月に何件くらい送るべきですか?

成立率6〜7%から逆算すると、月に2回お見合いをしたいなら最低20〜30件の申し込みが目安です。IBJ成婚白書2024年度版でも、成婚者は途中退会者より申し込み数が男性で+21件多いというデータがあります。ただし、闇雲に数を増やすのではなく、希望欄のチェックで精度を上げたうえでの数字です。

お見合い写真はスタジオ撮影と友人撮影どちらがいいですか?

どちらでも構いません。大事なのは「他撮り・笑顔・明るい服装」の3点セットが揃っていること。スタジオ撮影は照明やヘアメイクが整う利点がありますが、表情が硬くなりがちな人は友人に撮ってもらったカジュアルな写真のほうが自然な雰囲気が出ることもあります。

プロフィールの趣味欄に書くことがない場合はどうすればいいですか?

「趣味」と構えなくても大丈夫です。「休日の過ごし方」として、実際にやっていることを具体的に書けばそれで十分。「近所のスーパーで食材を見て回るのが好き」「週末の朝はコンビニコーヒーを片手に散歩している」など、生活の一コマが伝わる文章が相手の関心を引きます。

申し込みが断られ続けると心が折れます。どう対処すればいいですか?

お見合い成立率の平均は6〜7%です。10件送って全部断られても統計上は「想定内」。この数字を事前に知っておくだけで、断られたときのダメージは大きく軽減されます。感情ではなく数字で判断する習慣をつけると、折れにくくなります。3ヶ月ごとに申し込み数・成立数を振り返り、改善点を1つだけ決めて次のサイクルに入るのがおすすめです。

年齢が上がるとお見合い成立率は下がりますか?

IBJの公開データでは、女性は20代後半の約11%から年齢とともに6%台まで下がり、男性は20代後半の約8.6%から40代後半で4.4%まで下がる傾向があります。ただし、これは全体の平均値であり、写真やプロフィールの精度を上げることで個人の成立率は改善できます。年齢を変えることはできませんが、行動の精度は今日から変えられます。

参考文献