「結婚相談所に入ったけど、マッチングアプリも続けたほうがいいのかな」「両方やったら出会いが増えるんじゃない?」——そう考える人は多いです。実際、筆者のもとにも併用の相談は月に何件も届きます。

結論から言えば、併用自体はルール上OKです。大半の結婚相談所はアプリとの同時利用を禁止していません。ただ、「なんとなく両方やってみる」だけだと、時間と気力を分散させて、どちらも中途半端になるケースが圧倒的に多い。12年で4,000名以上の婚活をサポートしてきた経験から断言できます。

この記事では、併用で成果を出すための3つのルールと、「そもそも自分は併用すべきか」を判断するチェックリストを整理しました。数字で見ましょう。感覚で「なんとなく続けてる」状態をまず止めることが、併用婚活の第一歩です。

結婚相談所とマッチングアプリの併用は「あり」——ただし条件つき

まず前提を共有します。2026年時点で、マッチングアプリの利用経験者は成人の約39.5%にのぼり、20〜30代では半数を超えています(MMD研究所「2025年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」)。一方、IBJの「2025年成婚白書」によれば、結婚相談所の成婚者は平均11人とお見合いし、約4ヶ月の交際期間を経て成婚に至っています。

つまり、アプリには「母数の広さ」があり、相談所には「仲人のサポートと結婚意欲の担保」がある。両方の強みを活かせるなら、併用にはたしかに合理性がある。

ただし、それは「設計された併用」に限った話です。

筆者がこれまで見てきた併用相談者のうち、成果につながったのは体感で3割ほど。残りの7割は、どちらかの活動量が落ちたまま月額だけ払い続ける状態に陥っていました。併用すれば自動的に出会いが倍になるわけではありません。段取りの問題です。

併用がうまくいかない人に共通する3つのパターン

12年間の相談データを振り返ると、併用で停滞する人には決まったパターンがあります。

パターン1:「保険」として片方を放置している

相談所をメインにしつつ、「万が一のためにアプリも残しておこう」というケース。気持ちはわかります。でも、放置しているアプリのプロフィールは更新されず、ログイン頻度も下がり、アルゴリズム上表示されにくくなる。保険のつもりが、ただの課金になっている。

パターン2:比較ばかりして決められない

相談所で会った人とアプリで会った人を比べ始めると、終わりがなくなります。「アプリの人のほうが話が合うけど、相談所の人のほうが条件はいい」——この天秤をずっと続けて、どちらの関係も進められないまま時間だけが過ぎる。新人時代、筆者も「焦らなくていいですよ」と会員さんに伝え続けた結果、3年間なにも進まなかったことがあります。以来、まず期限を切りましょうがわたしの口癖になりました。

パターン3:行動量のトータル管理ができていない

相談所でお見合い3件、アプリでデート2件。合計5件の予定が入ると、週末がすべて埋まります。ここに仕事と日常が乗ると、デートの振り返りもLINEの返信も雑になる。量は増えたのに質が下がる。結果、どちらでも2回目につながらない。

併用で成果を出す3つのルール

併用を「なんとなく」から「設計された戦略」に変えるには、この3つを押さえてください。

ルール1:主戦場を1つ決めて、もう片方は「補助」にする

併用で成果を出している人は、必ずどちらかに軸足を置いています。

たとえば「相談所メイン・アプリ補助」なら、相談所のお見合い申し込みとデート設計に7割のエネルギーを注ぎ、アプリは週末の空き時間にいいね確認とメッセージ返信をする程度に絞る。逆に「アプリメイン・相談所補助」なら、アプリでの出会いを中心にしつつ、相談所のカウンセラーにアプリ活動の壁打ちをしてもらう。

どちらを主戦場にするかの判断基準はシンプルです。過去3ヶ月でお見合い・デートの回数が多かったほうをメインにする。行動量が出ているほうが、あなたに合った場である可能性が高い。

ルール2:週の行動枠を「合計」で数字にする

相談所の分、アプリの分と別々にカウントしていると、トータルが見えなくなります。週の予定は合算で管理してください。

目安はこうです。

  • 週のお見合い・デート枠:合計2〜3件まで(それ以上は振り返りが追いつかない)
  • 週のいいね・申し込み送信:合計10〜15件(多すぎると1件あたりの精度が落ちる)
  • メッセージ返信:24時間以内ルールを両方に適用する

以前サポートした34歳の女性会員は、過去2年で5名と交際しては破局を繰り返していました。彼女の場合、併用ではなく相談所一本だったのですが、同じパターンで断る癖が数字で見えてきたことが転機になった。会う頻度とお断りの理由をスプレッドシートで記録してもらったところ、3ヶ月で交際が始まり、6ヶ月で成婚に至りました。感覚は嘘をつくけれど、数字は嘘をつかない。併用でも一本化でも、この原則は変わりません。

ルール3:3ヶ月で併用を続けるか見直す

併用を始めたら、3ヶ月後に振り返りの時間を取ってください。チェックするのはこの3点だけです。

  1. 相談所とアプリ、それぞれで何人と会ったか
  2. 2回目のデートに進んだ割合はどちらが高いか
  3. 月額コストに対して、会えた人数は納得できるか

数字を出してみて、片方の成果がゼロに近いなら、そちらは止める判断をしたほうがいい。浮いた時間とお金を、成果が出ているほうの活動に集中させるだけで、行動の精度は上がります。

ロードバイクでたとえるなら、走り始めてから「このルートで合ってるかな」と迷うと、最初の5kmで脚が止まります。走り出す前にルートを決め、途中のチェックポイントで「このまま行くか、引き返すか」を判断する。婚活の併用も同じ構造です。

「併用」か「一本化」かを判断する5つのチェックリスト

以下の質問に正直に答えてみてください。

チェック項目Yes / No
1. 相談所とアプリの両方で、月に2人以上と会えている
2. 片方の活動が1ヶ月以上止まっていない
3. 両方の月額コスト合計に対して「高すぎる」と感じていない
4. デート後の振り返りを、両方の出会いについてできている
5. 「どっちで出会った人かわからなくなる」状態になっていない

Yesが4つ以上:併用がうまく回っている。このまま継続してOK。

Yesが2〜3つ:どちらかに偏り始めている。主戦場を明確にし直すタイミング。

Yesが0〜1つ:併用が負担になっている可能性が高い。思い切って一本化し、3ヶ月集中で結果を出すことを検討してください。

IBJ成婚白書2025のデータでは、成婚者の活動期間は中央値で約9ヶ月。この「9ヶ月」に、行動量を分散させた併用期間が含まれていないかどうか。もし含まれているなら、一本化して行動密度を上げるほうが、成婚までの距離は短くなります。

FAQ

結婚相談所の規約でマッチングアプリの利用は禁止されていませんか?

2026年6月時点で、大半の結婚相談所はマッチングアプリとの同時利用を禁止していません。ツヴァイやIBJ加盟店でも、アプリの併用を認めている相談所がほとんどです。ただし、相談所によっては報告を求められるケースもあるので、入会時の規約は確認してください。

併用するとカウンセラーに相談しづらくなりませんか?

むしろ、アプリでの活動もカウンセラーに共有したほうがいいです。「アプリで会った人と迷っている」と正直に伝えれば、比較のポイントや判断基準を一緒に整理してもらえます。隠しておくと、的外れなアドバイスになるリスクがあります。

併用の月額コストはどのくらいかかりますか?

マッチングアプリの有料プランが月3,000〜5,000円程度、結婚相談所の月会費が1万〜2万円程度が一般的です(2026年6月時点)。合計で月1.5万〜2.5万円ほどになりますが、成果が出ていない片方を早期に見切ることでコストを抑えられます。

併用はいつまで続けていいものですか?

3ヶ月を1サイクルとして見直すのがおすすめです。IBJ成婚白書2025のデータでは、成婚者の活動期間は約9ヶ月。3ヶ月ごとに行動量と成果を振り返り、6ヶ月経っても片方の成果がゼロなら、その時点で一本化の判断をしてください。

アプリで出会った人との交際が始まったら、相談所は退会すべきですか?

アプリで出会った相手と真剣交際に入ったなら、相談所は「休会」か「退会」を検討してください。相談所の月会費を払いながら活動しない期間が続くのはコストの無駄です。ただし、交際が安定するまでの1〜2ヶ月は休会扱いにして、保険を残す判断もあります。

参考文献