「返信はすぐ返さないほうがいい」「追いかけさせたほうが好きになってもらえる」——そんな恋愛テクニック、まだ信じていませんか。

結婚相談所のアドバイザーとして12年、4,000名以上の婚活をサポートしてきた立場から言い切ります。婚活で駆け引きをする人ほど、成婚から遠ざかる。理由はシンプルで、誠実な人ほど駆け引きに付き合わないからです。

2026年5月現在、IBJ成婚白書2024年度版によると成婚者の約8割が活動開始から1年以内に成婚しています。このスピード感のなかで、わざわざ返信を遅らせて「駆け引き」をしている時間はありません。数字で見ましょう——駆け引きに費やす時間は、行動量を削っているだけです。

なぜ婚活で駆け引きが広まったのか

SNSや恋愛コラムには「LINEの返信は少し遅らせたほうがいい」「既読をつけてもすぐ返さない」といったテクニックがあふれています。心理学でいう「間欠強化」——たまにしか報酬が来ないほうが相手の執着が強まる、という理論が根拠にされがちです。

ただ、これはあくまで恋愛初期のドキドキを演出する話。結婚を前提にした婚活では、前提がまったく違います。

婚活の相手は「この人と家庭を築けるか」を見ています。ドキドキではなく安心感。駆け引きで不安を煽る行為は、まさに逆方向なんです。

駆け引きが成婚を遠ざける3つの理由

理由1:誠実な人ほど「面倒だ」と離れる

返信を遅らせる。既読をつけたまま放置する。こうした行動を見たとき、誠実な人が考えることは「この人、自分に興味がないのかもしれない」です。追いかけるのではなく、静かに離れていく。

結婚相談所で仮交際中の会員を見ていると、返信が遅い相手に対して「もういいかな」と交際終了を申し出るケースは珍しくありません。IBJ成婚白書2024年度版でも、成婚者は仮交際中のコミュニケーション頻度が高い傾向が報告されています。

段取りの問題です。返信を「遅らせる」のは戦略ではなく、相手の時間を奪う行為だと気づいてほしい。

理由2:並行して動いている相手に置いていかれる

結婚相談所では、仮交際中に複数の相手と同時に会うことが一般的です。あなたが返信を3日遅らせている間に、相手は別の人と2回目のデートを済ませているかもしれない。

婚活はスピード勝負。成婚者の約65%が活動開始から6ヶ月以内に成婚退会しているというデータもあります。6ヶ月のうちの「3日」は、思っている以上に重い。返信を寝かせている暇があるなら、次のお見合いの日程を決めたほうがいい。

理由3:自分自身の判断力が鈍る

駆け引きをしていると、相手の反応を「読む」ことにエネルギーを使い始めます。「この返信は脈ありかな」「もう少し焦らしたほうがいいかな」と、本来見るべき相性の判断がどこかに飛んでしまう。

以前、34歳の女性会員が過去2年で5名と交際・破局を繰り返していたケースがありました。彼女の行動データを一緒に見直したら、実は毎回「同じパターンで相手を試す癖」があった。それを数字で可視化して修正したところ、3ヶ月で交際、6ヶ月で成婚に至りました。感覚は嘘をつくけれど、数字は嘘をつかない。駆け引きという「感覚頼り」の戦術を手放したことが、結果につながったんです。

駆け引きをやめた人がやっている3つのこと

1. 返信は「24時間以内」をルールにする

まず期限を切りましょう。返信のタイミングに悩む時間がもったいない。「もらったメッセージには24時間以内に返す」とルール化するだけで、余計な駆け引き思考が消えます。

早すぎるのも気まずいと思うかもしれませんが、婚活では「すぐ返してくれる人」はむしろ好印象です。結婚相談所のカウンセラーの間でも、「駆け引き不要」を明言する相談所は増えています。

2. 「ありのまま」で勝負する準備をする

駆け引きに頼る人の多くは、素の自分に自信がないから小手先のテクニックに走る——これはサンマリエの婚活コラムでも指摘されています。

年収を盛る。趣味を合わせる。返信タイミングを操作する。全部「盛った自分」で勝負しようとしている証拠です。でも、盛った自分でマッチしても、結局バレて疲れるだけ。

じゃあ素の自分で何を見せるのか。筆者がいつも会員に伝えるのは「具体名詞を3つ用意しなさい」ということ。好きな食べ物、最近読んだ本、休日の過ごし方。抽象的な「趣味は旅行です」ではなく「先月、奥多摩でロードバイクで50km走ってきました」のように、固有名詞と数字が入るだけで輪郭が立ちます。駆け引きより、この準備に時間を使うほうがずっと効果的です。

3. 「会う回数」をKPIにする

婚活で結果を出す人は、行動量を数字で管理しています。月に何人と会ったか。仮交際中の連絡頻度はどうか。2回目のデートに進んだ割合は何%か。

ロードバイクに乗っていて実感するのですが、走り始めの5kmが一番きつい。でも10kmを超えると身体が温まって、気づけば50km走り切っている。婚活も同じ構造で、最初の数回が一番しんどい。そこを超えれば「会うこと自体」が苦ではなくなります。駆け引きで立ち止まっている暇があったら、まず次の1人に会う段取りを組みましょう。

「駆け引きしないと舐められる」は誤解

「すぐ返信したら軽く見られるのでは」という不安はよく聞きます。でも考えてみてください。あなたが相手の立場だったら、メッセージにすぐ丁寧に返してくれる人を「軽い」と思いますか。

舐められるかどうかは返信速度の問題ではなく、メッセージの内容で決まります。「了解!」だけの一言返信が連続すれば軽く見えるかもしれない。でも「先日のお話、楽しかったです。〇〇のお店、今度一緒に行きませんか」という具体的な返信なら、早く届くほど嬉しいはずです。

大事なのはスピードと中身の両立。片方だけでは足りないし、駆け引きはどちらも損なう。

FAQ

婚活でも多少の駆け引きは必要ではないですか?

恋愛初期のドキドキ演出と、結婚相手を見極める婚活は目的が違います。婚活では安心感と信頼が最優先。駆け引きで不安を煽るより、素直なコミュニケーションのほうが成婚に近づきます。

返信が早すぎると「暇な人」だと思われませんか?

思われません。むしろ婚活では「レスポンスが早い人=誠実で段取りが良い人」と好印象に映ります。内容が伴っていれば、早い返信はプラスにしかなりません。

マッチングアプリでも駆け引きは逆効果ですか?

アプリでも基本は同じです。ただし、結婚相談所のように仲人が間に入らない分、返信速度の温度差が生まれやすい環境です。相手のペースに合わせつつ、24時間以内の返信を心がけるとバランスが取りやすくなります。

駆け引きをやめたら急にうまくいくものですか?

駆け引きをやめるだけで成婚するわけではありません。大事なのは、駆け引きに使っていた時間とエネルギーを「行動量を増やす」「自分の見せ方を整える」という本質的な改善に振り向けることです。

参考文献