「いい人がいたら自分からアプローチしたい」——そう思っているのに、いざとなると申し込みボタンが押せない。お見合いの場でも当たり障りのない会話で終わってしまう。婚活で受け身から抜け出せない人は、決して少数派ではありません。

筆者は結婚相談所のアドバイザーとして12年、4,000名以上の婚活をサポートしてきました。断言できることがひとつあります。受け身の婚活は、時間だけが過ぎていく構造になっている。段取りの問題です。

この記事では、IBJ成婚白書2024年度版のデータを根拠に、受け身が成婚を遠ざけるメカニズムと、抜け出すための3つの行動ルールを整理します。

婚活で「受け身」になる3つの心理パターン

なぜ動けなくなるのか。相談現場で繰り返し見てきたパターンは、大きく3つに分けられます。

パターン1:「断られるのが怖い」——拒絶回避型

お見合い申し込みを出して断られると、自分を否定された気持ちになる。だから申し込みの数を絞る、あるいはそもそも出さない。これが婚活で最も多い受け身パターンです。

でも数字で見ましょう。IBJのデータでは、お見合い申し込みの成立率は約6〜15%。10人に申し込んで1〜2人と会えれば「普通」なんです。断られるのは失敗ではなく、確率通りの結果にすぎません。野球のバッティングと同じで、3割打てれば上出来。残り7割の凡退を恐れてバッターボックスに立たない選手はいないですよね。

パターン2:「待っていれば来る」——受動待機型

プロフィールを登録して、申し込まれるのを待つだけ。マッチングアプリでも「いいね」を送らず、来た分だけ見て判断する。条件がいい人ほどこのパターンにハマりやすい傾向があります。

受け身で待っていると、出会いの母数が「相手が自分を選んだ範囲」に限定されてしまう。本当に合う相手が、たまたま自分のプロフィールを見つけてくれる保証はどこにもありません。申し込まれた中から選ぶだけでは、婚活は情報収集期間のまま止まります。

パターン3:「まだ準備ができていない」——先延ばし型

「もう少し痩せてから」「転職が落ち着いてから」「貯金がもう少し貯まってから」。準備を理由に動き出しを先延ばしにする人がいます。気持ちはわかる。

ただ、完璧な状態で婚活を始められる人は存在しません。筆者は週末にロードバイクで50kmほど走るのですが、走り始めの5kmが毎回一番きつい。ペダルが重いし、身体が温まっていないから「今日はやめようかな」と思う。でも10kmを超えると身体が動き始めて、気づけば50km走り切っている。婚活も同じ構造です。最初の数回が一番しんどいけれど、そこを超えれば会うこと自体が苦ではなくなります。

受け身が成婚を遠ざける——データで見る行動量の差

感覚ではなく、数字で確認しましょう。IBJ成婚白書2024年度版のデータが、受け身と積極派の差を明確に示しています。

成婚者と途中退会者の申し込み数を比べると、成婚した人は男性で約40件、女性で約25件の申し込みを自分から出しています。一方、途中退会した人は男性約25件、女性約15件。成婚者のほうが1.5〜1.7倍多く動いている計算です。

さらに注目すべきデータがあります。「女性から男性に申し込んだお見合い」のほうが、成婚に繋がりやすい傾向が報告されているんです。女性が自分から動くことで、待っているだけでは出会えなかった相手と繋がれる。受け身でいることは、統計的に見ても成婚確率を下げています。

以前担当した34歳の女性会員の話をします。過去2年で5名と交際しては破局を繰り返していました。活動データを一緒に見直したところ、申し込みはほぼ「来た分から選ぶ」パターンで固定化していた。自分から申し込む基準と週あたりの件数を数字で設計し直した結果、3ヶ月で交際に進み、6ヶ月で成婚。感覚は嘘をつくけれど、数字は嘘をつきません。

受け身を抜け出す3つの行動ルール

では具体的にどう動くか。相談現場で効果が高かった3つのルールを紹介します。

ルール1:週の申し込み件数を「数字」で決める

「気になる人がいたら申し込もう」は受け身の入口です。まず期限を切りましょう。「今週は5件申し込む」と件数で決めてしまう。

成婚者の月間申し込み数から逆算すると、月10〜15件、つまり週3〜4件がひとつの目安になります。件数を先に決めてしまえば、「この人はどうかな……」と迷う時間が減り、行動のハードルが下がる。大事なのは「申し込んだ件数」をスマホのメモに残すこと。記録するだけで自分の行動パターンが見えてきます。

ルール2:「3ヶ月集中期間」を区切る

婚活が長期化するほど受け身に戻りやすくなります。だから最初の3ヶ月を「集中期間」として区切る。

3ヶ月で月3回のお見合いをこなせば合計9回。IBJ成婚白書によれば、成婚者は平均10〜14回のお見合いを経験しています。9回こなせば自分の好みや傾向がデータとして溜まり、「なんとなく合わない」を言語化できるようになる。期限があると人は動けます。「いつか」は永遠に来ません。手帳やカレンダーに3ヶ月後の日付を書き込む——それだけで覚悟が生まれます。

ルール3:お見合い後の「3項目振り返り」を仕組みにする

受け身の人に共通するのは、お見合いやデートの後に「なんとなくよかった」「なんとなく違った」で済ませてしまうことです。

振り返りは3つだけでいい。「相手のどこが印象に残ったか」「自分は何を話したか」「次に会いたいか、その理由」。お見合い後にスマホのメモに書く。所要時間は3分。これを続けると、自分が何を重視していて何に引っかかっているのかが可視化されます。

行動量×精度×期限。この3つが揃ったとき、婚活は停滞から動き始めます。受け身を抜け出すのに必要なのは気合いではなく、仕組みです。

FAQ

受け身のままでも成婚できる人はいますか?

ゼロではありません。ただしIBJ成婚白書2024年度版では、自分から申し込みを出している人のほうが成婚率は明確に高い傾向が出ています。受け身のまま成婚するケースは、申し込まれる件数がもともと多い一部の層に限られます。

マッチングアプリでも女性から「いいね」を送るべきですか?

送ったほうがマッチング率は上がります。男性は女性からの「いいね」を好意的に受け取る傾向が強く、返信率も高くなるというデータが複数のアプリで確認されています(2025年時点)。「待ち」の姿勢はアプリでも結婚相談所でも同じリスクを抱えています。

お見合い申し込みで断られ続けると心が折れます。対処法はありますか?

お見合い成立率は6〜15%が相場です。10件出して1件成立すれば順調なペース——この数字を先に知っておくだけでダメージは軽くなります。「断られた数」ではなく「申し込んだ件数」を自分の行動指標にしてください。

「3ヶ月集中」で成果がなかったらどうすればいいですか?

3ヶ月分の行動データがあれば、「やり方の問題」か「場(使っているサービス)の問題」かを判定できます。申し込み数が足りないのか、お見合い後の進展率が低いのかで対策は変わる。数字を見て、次の3ヶ月の戦略を立て直しましょう。

参考文献