「日焼け止めって女性が塗るものでしょ?」——これ、私もやったんです。美容部員時代、男性のお客さまに日焼け止めをおすすめしたとき、返ってきた言葉がまさにこれでした。でも正直に言うと、肌の老化原因の約8割は紫外線による「光老化」だという研究があります。つまり、洗顔も保湿もがんばっているのに日焼け止めだけ塗っていないなら、スキンケアの土台が抜けているのと同じなんです。
2026年6月現在、20代男性で毎日日焼け止めを使っている人はわずか10.6%という調査結果もあります。裏を返せば、塗るだけで9割の男性と差がつく。この記事では、日焼け止めを塗ったことがない男性でも今日から始められる3ステップを紹介します。
そもそも「光老化」って何? 肌老化の8割は紫外線が原因
年齢を重ねたから肌がたるむ、シワが増える。そう思っている人は多いと思います。もちろん加齢による老化もあるんですが、皮膚科学の世界では肌老化の約80%が紫外線による「光老化」だとされています。1997年に医学誌『New England Journal of Medicine』で発表された論説がその根拠です。
光老化のメカニズムはこうです。紫外線が真皮に届くとコラーゲン繊維が損傷し、同時にコラーゲンを分解する酵素が活性化する。つまり「作る量が減って壊す量が増える」ダブルパンチ。これがシワ・たるみ・シミの正体です。
しかもやっかいなのが、紫外線ダメージは蓄積するということ。20代のうちは目に見えなくても、30代後半から一気に表面に出てくる。「最近なんか老けた?」と言われる男性の多くは、10年分の紫外線ツケを払わされているわけです。
UVAとUVB——「焼けなきゃ大丈夫」は大間違い
紫外線にはUVAとUVBの2種類があります。ここをざっくり理解しておくだけで、日焼け止め選びで迷わなくなります。
UVBは「赤くなる紫外線」。海やプールで肌がヒリヒリ赤くなるのはUVBのしわざ。日焼け止めのSPFがこれを防ぐ指標です。
一方、UVAは「じわじわ老ける紫外線」。肌表面は赤くならないのに真皮のコラーゲンを壊していく。曇りの日でも窓ガラスを通過する。日焼け止めのPAがUVA防御力を示します。
「日焼けしないから大丈夫」と思っている人は、UVBしか意識できていない。本当にこわいのは自覚症状ゼロで肌の土台を壊すUVAのほう。だから曇りの日もオフィス勤務の日も、日焼け止めは意味がある。ここが盲点です。
今日から始めるメンズUVケア3ステップ
実体験ですけど、美容部員時代に「日焼け止めを初めて買う」という男性のお客さまは、だいたい棚の前で固まっていました。種類が多すぎるんです。だから、まずはこの3ステップだけ覚えてください。
ステップ1:選ぶ——日常使いならSPF30/PA+++で十分
通勤やちょっとした外出なら、SPF30・PA+++で紫外線は十分カットできます。SPF50+が必要なのは、炎天下のレジャーや長時間の外回りくらい。数値が高いほど肌への負担も増えるので、毎日使うなら30で始めるのがおすすめです。
テクスチャーは「ジェルタイプ」か「ミルクタイプ」を選んでください。男性に多いのが「塗ったあとベタつく」という不満ですが、2026年現在のジェルタイプはかなりサラッと仕上がるものが増えています。ドラッグストアで700〜1,500円台のもので問題ないです。
ステップ2:塗る——「500円玉大」を顔全体にムラなく
量が足りないと効果が激減します。資生堂の公式サイトによれば、日焼け止めの効果を正しく発揮するには、顔全体で500円玉大が必要です。
塗り方のコツはひとつだけ。おでこ・両頬・鼻・あごの5点に置いてから広げること。一ヶ所にドバッと出して伸ばすとムラになります。朝の洗顔→化粧水→乳液のあと、最後に日焼け止め。この順番です。
ステップ3:落とす——洗顔料で落ちるものを選べば楽
SPF30クラスのジェルタイプなら、ほとんどが普段の洗顔料で落とせます。パッケージに「石けんで落とせる」「専用クレンジング不要」と書いてあるものを選べば、夜のケアが増えることもありません。
落とし残しは毛穴詰まりやニキビの原因になるので、ここだけは気をつけてほしい。泡立てた洗顔料でTゾーン(おでこ・鼻)を中心に30秒ほどなじませれば大丈夫です。
「塗る習慣」を続けるための3つのコツ
正直、日焼け止めは続かない人が多いです。私が美容部員時代にお客さまから聞いた「やめた理由」のトップ3は、面倒・ベタつく・効果が見えない。だからこそ、習慣化のハードルを下げる工夫が大事です。
まず洗面台に置く。化粧水の隣に日焼け止めを並べておけば、朝のルーティンに自然に組み込めます。リビングに置くと忘れます。洗面台です。
次に2〜3時間おきの塗り直し。完璧にやる必要はないけれど、昼休みに一回だけ塗り直すだけで効果がぜんぜん違う。スプレータイプを1本カバンに入れておくと楽です。
最後に「首の後ろ」も忘れない。顔は塗っても首の後ろを忘れる人、かなり多い。夏場に首の後ろだけ赤黒くなっている男性、見たことありませんか。顔と首はセットで塗ってください。
FAQ
男性でも毎日日焼け止めを塗るべき?
はい。紫外線は季節や天気を問わず降り注いでいます。とくにUVAは曇りでも80%程度が地表に届くとされており、通勤程度の外出でも蓄積ダメージは無視できません。SPF30程度の軽いもので構わないので、朝のスキンケアの最後に塗る習慣をつけるのがおすすめです。
SPFの数値は高ければ高いほどいい?
必ずしもそうとは言えません。SPFが高いほど紫外線吸収剤の配合量が増え、肌への負担も大きくなる傾向があります。日常生活ではSPF30・PA+++で十分です。炎天下のレジャー時にはSPF50+・PA++++を選んでください。
日焼け止めを塗ると肌荒れしないか心配です
敏感肌の方は「紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)」と表記されたものを選んでみてください。紫外線散乱剤のみで作られているため、肌への刺激が比較的少ないです。パッチテストとして腕の内側に少量塗って24時間様子を見る方法もあります。
日焼け止めはいつ塗り直せばいいですか?
目安は2〜3時間おきです。汗をかいたりタオルで拭いたあとは効果が落ちているので、その都度塗り直してください。スプレータイプやスティックタイプなら外出先でも手軽に塗り直せます。
参考文献
- 【20代男性100名に調査】男性の日焼け対策の意識と実態が明らかに — 株式会社アースケア, 2023年
- 皮膚老化の原因8割は紫外線?根拠は世界最高峰の医学誌NEJM — あおいとりクリニック, 2021年
- SPFとPAの違いって?賢い日焼け止めの選び方 — 資生堂アネッサ公式サイト
- 日焼け止めの選び方丸わかり!SPFとPAの意味も解説 — ユースキン 肌育研究所
- 男性の日焼け止め使用率18.8%、伝統的男性性規範への固執が関連 — CareNet, 2026年






